お知らせ

2010年8月30日にプレリニューアルオープン致しました。Category=Fを今後もよろしくお願い致します。

更新情報

現在までの更新情報については、こちらをご確認下さい。

最新の記事

歴史的快挙!天才児が踏み出した勇気ある一歩。

漫画に出て来るカップルみたいになりたい!(全3回)

オススメの記事

30年間かくれんぼを続けていた男性、ついに見つかる。

今月のピックアップ

100円ライター使い切り競技大会、優勝者決まる。

経験のみが裏付けることが出来る『ファンキーな答え』

過去にはこんな記事も

お題 其の三 『裸で何が悪い!』

第一回「暇だから何らかの協会を作ってみねぇ?」会議

バックナンバー

バックナンバー VOL1.

バックナンバー VOL2.

バックナンバー VOL3.

バックナンバー VOL4.

『衝撃の結末』な映画アニメ。

さて、何はなくともDVDのレビューを書いて参りましょう。今回はまだ一度も取り扱っていない、アニメDVDを取り上げたいと思います。作品選定のテーマは『衝撃の結末』です。

なお、今回は結末部分をほぼ完全にネタバレしてしまっているため、これから見ようと思っている読者様は、当カテゴリーを飛ばして頂ければと思います。少しばかり寂しいですが、「ネタバレは嫌!」という読者様のご要望に、耳をすまさないわけにはいかないのです。

※今回のレビューはネタバレが相当あります。あらかじめご了承下さい。

耳をすませば

皆大好きのジブリ作品です。ジャンルはいわゆる恋愛モノ。思春期まっさかりの中学生の男女、雫と聖司が色々と理由を付けて恋をします。同じくジブリで作られた『トトロ』や『ナウシカ』同様、今も根強いファンが大勢いる名作です。

ただ、私の嗜好的にはいい意味で駄目な部類に入る作品でした。

まず、私がこの作品で気になったのはタイトルについてです。『耳をすませば』というセンチメンタルなタイトルがついているにも関わらず、この作品では肉体的にも精神的にも耳をすましている場面というのがほとんどないのです。

登場人物たちは結構なデカイ声で喋っているし、前半部分を除いては、ほぼ一貫して自分の気持ちに正直で、彼らの淡い恋心に対しての暗喩といった感じも余りありません。

特にヒロインの雫なんかは「やなやつ!やなやつ!やなやつ!」と、周りに聞こえるような大声で独り言を言ってしまうような変わった女の子で、この場面はまさに「私の声をちゃんと聞け!」若しくは「きけ、わだつみの声!」と言わんばかりの勢いでした。

だから、この映画の『耳をすませば』というタイトルは、「お前ら、私の独り言を耳をすまして聞け!」という意味に個人的には解釈しています。タイトルを口にする時は「耳をすませば…」と優しく言うのではなく、どこぞのツンデレ少女のように突き放した言い方で「耳をすませばぁ?」と言うのが、実は正解なのではないでしょうか?

実際、このヒロインの雫もツンデレタイプの女の子(最初ツンツンして後にデレっとする)のようですし、本来は監督もそういったところを意図していたのかもしれません。

もし、そうだとしたらツンデレ好きとして非常に嬉しい限りですが、当時の時代背景(ツンデレが注目されていない)からして、たぶん違うでしょう。

まあ、ヒロインがこんな感じなので、もう一人の主人公、雫の相手役の聖司君もまた、変わり者度では負けてはいません。

序盤の「お前さ…コンクリートロードはやめた方がいいと思うよ」という彼の名言にキュンとさせられた方々も大勢いらしたみたいですが、ちょっと冷静になって映像を振り返ってみれば、彼のこの発言は完全にKYなのです。

雫の方は、女友達にギャグっぽい感じでこのコンクリートロード版の詞をみせていたんですから(普通バージョンはもちろんカントリーロード)、この言い方はありません。

自分のいないところで、ギャグで盛り上がっているという状況が気に食わなくて、後になってから冷静なツッコミを入れてしまう上司というのが、この日本社会には沢山いますが、それと同じような匂いをこのシーンで感じてしまいました。

とはいえ、ギャグとしてこのコンクリートロードを客観的に分析すれば、その笑いどころというのが(どちらかといえば泣ける名曲)、私自身にもさっぱりわかりませんでしたので、その点については少し彼に譲るところがないわけでもないのです。

また、聖司君は雫と友達とのやり取り際にその場にはいなかったので、後のKY発言についても、一定の情状酌量の余地が残ります。非現実的な変わり者度で言えば、辺り構わずに「やなやつ!やなやつ!やなやつ!」と喚き散らす雫という人間の方が、やはり上ということなるのかもしれません。

ただ、この雫にも「結局男は顔でしょ!」という、それなりに現実的な部分を感じることは出来ました。彼女が彼を好きになる理由が他に見当たらないぐらい、二人の恋愛模様は淡々と進んでいきます。ファンタジー色が強いジブリ作品にしては、これは非常に珍しいタイプの主人公です。

性格の良さそうな杉村君(雫のことをずっと好きだった男の子)を差し置いて、どこの馬の骨ともしれないイケメン聖司に走るあたりは、涙なくしては語れないものがあります。

『聖司君が頑張っているから、雫は好きになった』という意見もあるかもしれませんが、私の観た限りでは、杉村君だって十分過ぎるぐらいに頑張っていました。

しかしながら、そんな細かいツッコミどころが気にならなくなるくらい結末が凄いのが、この「耳をすませば」という作品です。今回のテーマ『衝撃の結末』はこの作品のためにあるといっても過言ではありません。 「細かいところは気にしないで見ようよ」などと大人なことを言って、純粋に楽しんでいた方も、この最後の場面には流石に度肝を抜かれたことでしょう。

聖司「俺と結婚してくれないか?」

観ている方としては、半分パニック状態に陥ってしまうほど、これは唐突な一言でした。そしてこの台詞と共に物語は幕を閉じるのです。その後のエンドロールを眺めている間に、今後の二人の将来に対する数々の不安を思い浮かべたのは、私だけではないでしょう。まだ高校にも入っていない若い二人に心配は尽きません。しかも聖司君はバイオリン職人になるための修行で、これから海外に行ってしまうのです。

もし、『耳をすませば2』が制作されて、聖司君が修行先で外人女性と乳くりあっている場面が出てきたら、流石の私でも鬱になってしまいそうですが、どう考えてもあの結末は、そういった不安感しか残らない終わり方でした。

本当になんで急にそんなこと言うの?という感じなのです。

たった一言のプロポーズがあったせいで、鑑賞者がどん底の気分にさせられてしまうというのも変な話ですが、そういう一風変わった『衝撃の結末』を観ることが出来るのが、この『耳をすませば』という作品の一番の魅力だと個人的には考えています。

ただ、こんな斜め目線からのレビューを書いてしまった以上は、雫本人やファンの方から、「やなやつ!やなやつ!やなやつ!」と言われるのは、覚悟しなくてはなりません。聖司君は「やなやつ!」でも許されたのに、人生とは本当に不公平なものです。